7月 01 2023 / Round the Table Magazine
成功に導く最高のプロスペクト戦略
対象のトピックス
By Thomas F. Levasseur, CLU, MS Ed.
ある年のアニュアル・ミーティングで聞いた話がとても印象的でした。フォーカス・セッションで54年間MDRT会員の偉人Bruce W. Etherington, CLU, CH.F.C.(カナダ、オンタリオ州)の講演があり、「ビジネスで成功するには、人に会い、人を愛し、加入を勧めなければならない」と言っていました。つまり、プロスペクティング(見込客探し)は金融サービス業の生命線だということです。
私がこの職業に就いた最初の年には、もう一人の偉人Dermot T. Healey Sr., CLU, ChFC(米国フロリダ州、44年間MDRT会員)から「呼吸している限り、見込客を探すべきだ」と言われました。
相手を中心に会話する
見込客探しは感性を研ぎ澄まして意識的に行うスキルであり、「お客さまが望むものを手に入れる手助けをすることが自分の使命だ」という自信に裏打ちされます。人に会い、人を愛して、お願いする。大勢の人がいるネットワーキング・イベントに参加するときや、一対一で会うときは「自分にはどんな手助けができるのだろう。どんなサービスが提供できるだろう」と自問してください。これがプロスペクティングの最良のアプローチです。
多くの場合、自分のことばかり話したり、仕事の話をする人は見破られます。相手に質問することから会話をスタートさせましょう。自分のストーリーを語ってもらいましょう。「もう少し詳しく教えてください」のようなフレーズを使って、質問をし続けるのです。問い掛けは効果的なスクリプトです。私はイベントに参加するとき、あえて名刺は持っていきません。私の目標はむやみに多くの人に名刺を渡すことではありません。名刺を差し上げた方から電話をいただくことはほとんどなかったからです。むしろ、面白い交流があった人の名刺を集めることに努めます。それはお互いの合意に基づいたフォローアップにつながります。
理想的な顧客像
優れたプロスペクティングの前提条件として「理想的なお客さま」を明確に把握し、そのような資質を持つ人を求める必要があります。例えば、オープン・マインドであること、行動的であること、家族を大切にしていること、誠実であることなどです。そのための戦略として私は理想の顧客の資質や美徳に基づき、現在のクライアントをエクセルで採点しました。スコアは顧客との交流の度合いに基づいて毎年更新しています。そうすることで自分が求めている重要な資質がさらに明確になり、思考に定着していきます。
見込客を探す段階から、出会う方々にそのような資質を求めるようにしています。この手法を用いることで見込客の質を向上させることができます。その結果、皆さんに合う人、提供するサービスを評価してくれる人とより多くのビジネスを行えるようになります。そうすると、仕事のキツさからだんだん解放されていくのが実感できます。人生は短いのでアームレスリング・コンテストのように力自慢を競っている暇はありません。
交流を成功させる習慣
最後に皆さんの見込客探しの最高のシナリオは、言葉ではなく行動です。人は自分が知っている人、好感を持てる人、信頼がおける人とビジネスをします。この格言は太古の昔からビジネス上の真実です。顧客や地域社会との交流の中で皆さんの価値観を示してください。そうすることで周りの方々はあなたの仕事を知り、好感と信頼を抱くようになるのです。
存在感を示して、仕事をやり遂げ、最後までフォローすること。そして笑顔と誠実な態度で仕事に臨むことが皆さんを成功に導く最高のプロスペクト戦略です。
Thomas Levasseurはニューハンプシャー州Doverの34年間MDRT会員。Contact: tom@thebeaconfg.com。
アポイントメントを増やす「パスワード」
By Jake Lim Wei Lun, AEPP
ファイナンシャル・アドバイザーになったばかりの頃、上司から見込客にアポイントメントを依頼する際に使う標準的なセリフを渡されました。しかし電話をかけた相手のほとんどが、こちらのセリフが終わる前に話を切り上げ、電話を切ってしまうのです。
この問題に対処するため、「パスワード」のアイディアを取り入れて、よりダイナミックなセリフを作成しました。するとほとんどの見込客が興味を持ち、話を最後まで聞いてくれるようになりました。興味を持って聞いてもらえれば半分勝利したも同然です。
ご説明しましょう:
オンラインのアカウントにログオンするには正しいパスワードが必要です。同様に見込客のスケジュールにログインする際にも、正しい「パスワード」が必要だと考えました。パスワードを取得することで見込客が会ってくれる可能性が高まります。
そこでお客さまに紹介をお願いするときは、連絡先や職業に加えて、正しいパスワードも尋ねることにしています。「私はその方にどのような点でお役に立てると思いますか」と聞くのです。
そのときのクライアントの返答により、紹介者との面談に「紹介理由」を組み込むことにしています。例えば「リタイアメント」という答えだった場合、紹介者に電話をかけるときに「ご友人のJohnは純粋にあなたのことを心配し、リタイアメント・プランが重要だと感じていらっしゃいます。そこでぜひ私と会って話を聞いてほしいというご希望をお持ちです」と付け加えます。
適切なパスワードを使うだけでなく、クライアントと見込客の関係も活用してアポイントメントをいただいています。
Jake Lim Wei Lunはシンガポールの6年間MDRT会員。Contact: weilun.lim@manulife.com.sg。
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