7月 01 2023 / Round the Table Magazine
ソーシャル・メディアに戦略を導入
対象のトピックス
大きな口を開けてアイスクリームにかぶりついている写真は皆さんのビジネスとは何の関わりもありません。
ただし、ソーシャル・メディアに関しては何でも会話のきっかけにすることができるとPloirath Essarumは実感しています。しかも保険と関係のないトピックスから仕事の話につながることもあると言います。
「例えば私が投稿した何かに誰かが反応してくれたら、それが会話のきっかけになり、最近の様子を尋ねることができます」とタイのバンコクで活躍する3年間MDRT会員の彼女は言います。「相手の様子を思いやっている私の姿勢を感じて信頼を寄せてくださいます」
だからこそEssarumはインスタグラムに食べ物、旅行、考えたこと、面白いこと、インスパイアされたことなどのコメントをせっせと投稿しています。その結果、現在では元彼や仕事仲間を含めて200世帯もの保険をお預かりしています。ただし、ネガティブなコメントや政治に関することは論争になりやすく不快に感じる方がいるので避けています。国際的な通信ハイテク大手のInfobip社の報告によるとアジア圏ではソーシャル・メディアは今やコールセンターやEメールでのお客さまサービスより普及しています。だからこそ多様なプラットフォームによるソーシャル・メディアでの差別化が必須だとEssarumは述べました。
以前は相手の興味を知らない状況でアプローチしていましたが、複合的なチャネルを活用することでお客さまに適切なアプローチをし、ターゲットを絞った見込客探しが可能になります。
注意点
皆さんは「既にFacebookをやっている」とか「自分のターゲットはみんなTwitterを使っている」とおっしゃるかもしれません。実はEssarumの前職は営業とマーケティングのディレクターで、さまざまなプラットフォームのアルゴリズムを研究していました。その結果、それぞれのプラットフォームをほぼ同じ人達が利用していることが分かりました。
「仮にあるチャネルに1,000人の友達がいたとします。しかし、必ずしもその1,000人は投稿を見ているとは限りません。日常的にあるチャネルを利用しているのは一部の人達です。そのためにリーチしたいターゲットにメッセージが届くとは限らないのです」と述べます。
だからこそ多様なチャネルを利用してさまざまな方に見ていただく努力を続ける必要があります。コメントしたり「いいね」ボタンを押すことも交流の輪を広げる助けになります。
人々の注意力がますます低下している世の中で効率的で簡潔な表現を可能にしているのがソーシャル・メディアです。投稿することでお客さまは都合の良いタイミングで読み、メッセージは不特定多数に届き、共通の興味や新しい人間関係を築くデジタル接点となります。
差別化が不可欠
Essarumのお気に入りはインスタグラムのストーリーで、理由は2つあります。投稿は24時間という制限があり、カジュアルな発信ができるので、ライフスタイルと食にフォーカスしています。コメントを個別に送信できるので直接連絡することができ、他の参加者に見られることなく個人的な会話を楽しむことができます。
ただし保険に関するインスタグラムを公開してもレスポンスを得られることはほとんどないと言います。それでもきっと読んでいる方がいて、将来のいつの日か、ピンポイントでニーズを感じた方が連絡をくださると信じて投稿を続けています。保険以外では美しいもの、ライフスタイルに関するものなど会話のきっかけ、つながるきっかけになる話題を投稿しています。
なお、LinkedInはアドバイザーの採用など明確な目的を持った投稿に利用しています。また、Facebookは慎重に選んだ保険関係の情報を投稿しています。特定の商品を勧めることもありますが、知識を付与する目的のソフト・セールスにより興味を呼ぶことを狙っています。EssarumによるとFacebookにしてもYouTubeにしても定期的なアップデートとコンテンツを計画的に特定のターゲットに向けて発信することが重要だと言います。
「がまんが求められます。投稿を始めて8ヶ月から1年もたってから動きがあるというケースも稀ではありません」と述べました。
時間も努力も求められます。現在Essarumはソーシャル・メディア担当のアシスタントを採用してその部分を任せています。さらにコンテンツ・マーケティングと投稿を担当する第三者団体との契約も検討中です。専門家を配置しないと自分だけでは見落とすことがあるからです。実際に2020年に海外在住のお客さまから保険の見積もりを求められていたのに、迷惑メールに分類されていてごく最近まで対応していなかったケースがありました。
「いろいろなチャネルにいろいろな投稿をするので、どこに何をアップしたか忘れてしまうこともあります」と言います。それでも投稿回数を維持することで後日成果が上がることを理解しているのでこれからも続けるつもりです。
「ソーシャル・メディアで友達になってから時間が経過すると親しい友人だと感じてくださいます。お会いしたことはなくても、私の投稿や活動内容を見ていてくださるからです。多くの方が、ある日『この人は信じられる』と確信を持てるようになり、そうなってから保険のお問い合わせをくださいます。その時にコンサルティングを求めることもありますし、加入する意思があることもあります。また親しい友人を紹介してくださることもあります」
Fonthong ChurintarapanはMDRTのアジア環太平洋市場向けのコンテンツ開発を担当するTeam Lewisのライターです。Contact:mdrteditorial@teamlewis.com
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